「五大記」第二十七話を公開しました

五大記」の第二十七話を公開しました。タイトルは「荷物」です。

多くの宗教は、人間が死んだのちに行くことになる世界について語っています。しかし、それがどのような世界なのかということは、それぞれの宗教ごとに異なっています。人間は、死んだのちに、その人が信じていた宗教ごとに異なる世界へ行くのでしょうか。それとも、すべての人間は同じ世界へ行くのでしょうか。もしも後者が正しいとするならば、ほとんどの人は、自分が信じていた世界とは異なる世界へ行くことになります。

たいていの人は、自分が信じていた世界と実際の世界とが違っていたとしても、馬券が紙屑に変わったのと同じように考えて、実際の死後の世界を受け入れるだろうと思われます。しかし、中には、死ぬ前に自分が持っていた信念を死んだのちも捨てることができない人々もいるでしょう。「五大記」第二十七話は、そのような、自分が持っていた信念を死後も捨てることができなかった人々の物語です。