「五大記」第五十七話を公開しました

五大記」の第五十七話を公開しました。タイトルは「研究不正」です。

「五大記」を構成している物語のうちには、「ヤハウェ」という名前で登場するわけではないものの、ヤハウェを彷彿とさせる神が登場するものがいくつか含まれています。「五大記」に登場するヤハウェは、多くの場合、何らかの存在者と対決することになります。たとえば、第三十四話「数学者」ヤハウェvs数学者たち、第四十一話「軍事裁判」ヤハウェvs昭和天皇第四十七話「台座」ヤハウェvs仏像、第五十一話「泉」ヤハウェvsマリアです。そして、第五十七話も、ヤハウェが何らかの存在者と対決する物語の一つです。

第五十七話でヤハウェが対決する相手は、小保方晴子さんです。ただし、この物語は、「五大記」の他の物語と同様、我々の宇宙とは異なる宇宙を舞台としていますので、ヤハウェと小保方さんが実名で登場するわけではありません。その宇宙には、「ガラマクム」という名前の神と「セロタミナ」という名前の女性が存在しています。ガラマクムはヤハウェを彷彿とさせる神で、セロタミナは小保方さんを彷彿とさせる女性です。

我々の宇宙に存在する理化学研究所は、2014年6月30日に配信したプレスリリースで、STAP現象の検証実験に小保方さんを参画させると発表しました*1。そして7月2日には記者会見を開き、小保方さんによる実験には複数の監視カメラを導入すると表明しました*2。この記者会見の中で、理化学研究所発生・再生科学研究センターの相澤慎一特別顧問(当時)は、監視カメラを導入する理由について、「世の中にはそこまでやらないと、彼女が魔術を使って不正を持ち込むのではないかという危惧があるのではないか」と述べたと伝えられています*3

確かに、200回以上も成功したと小保方さんが語っているSTAP細胞の作製に、彼女以外の誰も成功していないという話を聞いた人々の多くが、彼女は実は魔女で、STAP細胞というのは魔術の産物なのではないか、と思ったとしても無理はありません。しかし、我々の宇宙においては、魔術というものはフィクションの中にしか存在しないものですので、厳密な意味での魔術を小保方さんが使うということはあり得ませんし、彼女が魔女であるということもあり得ないことです。それに対して、第五十七話の舞台となっている宇宙においては、魔女が実在し、彼女たちは魔術を使うことができます。そして、その宇宙の小保方さんであるセロタミナも、魔女の一人です。

生物学の研究者であるセロタミナは、自分が魔女であるという自覚を持たない魔女でした。自分が魔女であり、知らず知らずのうちに実験で魔術を使っていたということを彼女が知ったのは、研究不正事件を起こして研究所を退職したのちのことです。そののち彼女は、不老不死の魔術を完成させることを目標として、自身の研究を続行します。しかし、彼女の前には強大な敵が立ちふさがります。宇宙を創造した神であるガラマクムです。彼は、不老不死の魔術は自分が定めた宇宙の摂理に反していると考え、セロタミナを抹殺しようと試みます。

果たして、彼女は不老不死の魔術を完成させるのでしょうか。それとも、ガラマクムによって抹殺されるのでしょうか。この先の展開につきましては、ぜひ本編を読んで確かめていただきたいと思います。