大阪のディープな観光スポット

先日(12月6日)、追手門学院大阪城スクエアで実施された有栖川有栖さんと河内厚郎さんの対談を聴きに行きました。対談のタイトルは、「大阪城は知っている」です。

対談の内容は、大阪城をめぐる四方山話でした。たとえば、韓国からの観光客は「秀吉憎し」という気持ちで大阪城を見に来るとか、新歌舞伎座のことを大阪城だと思っている人がいるとか、現在の天守閣を設計した古川重春は松下幸之助の家も設計しているとか、南西の角の石垣は上に森が載っていてセクシーだとか。

この対談の中で有栖川さんが語った、「大阪に来る観光客には、通天閣や道頓堀だけではなくて、もっとほかのところも見てほしい」という意見には、私も諸手を挙げて賛成です。

私が大阪を訪れた観光客にお薦めしたい名所は、まず第一に住吉大社です。境内は、国宝に指定されている本殿をはじめとして見所満載ですが、中でもお薦めなのは五所御前(ごしょごぜん)というところです。玉垣の内側に小石が敷き詰められていて、その中央に杉の木が立っています。小石の中には、「五」「大」「力」のうちのどれか一文字が書かれたものが混ざっていて、その3種類をすべて集めると、心願成就のお守りになります。ただし、願い事が成就した暁には石を返しに来ないといけません。

第二のお薦めは石切神社(正式な社号は石切劔箭神社(いしきりつるぎやじんじゃ))です。神社そのものも一見の価値がありますが、それに加えて堪能してほしいのは、近鉄石切駅石切神社との間にある800mほどの参道です。道の両側には、味わい深い商店がこれでもかというほど並んでいます。参道の脇にあるのは商店ばかりではなくて、大仏さんとかお不動さんとかもいらっしゃいます。

第三のお薦めは四天王寺です。聖徳太子が推古元年(西暦593年)に建立したお寺です。残念ながら、度重なる天災や戦災で建物が焼失したため、木造の建物の多くは太平洋戦争ののちに建てられたものです。しかし、石の建造物は、かなり古いものが残されています。たとえば、石鳥居は永仁2年(西暦1294年)に建立されたもので、日本三鳥居の一つです。

大阪には、これら以外にもディープな場所がまだまだあると思われます。「ここがすごい」というところをご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示いただければと思います。