ディープな観光スポット:山梨篇

「ディープな観光スポット」の山梨篇として、宇波刀神社(うわとじんじゃ)という神社にある石鳥居を紹介させていただきたいと思います。

山梨県の北西の端に、北杜市という市があります。この地域には、題目大宝塔、長泉寺の名号板碑、三輪神社の六地蔵幢など、興味深い文化財が目白押しなのですが、それらの中でも特に私がお薦めしたいのが、明野町というところにある、宇波刀神社の石鳥居です。

この石鳥居が立っているのは、神社に至る参道の入口付近です。高さ2.2メートル、柱間1.9メートルですので、かなり小型ですが、柱の直径が43センチもありますので、どっしりしていて風格を感じさせます。柱の裏側には「貞観六年」(西暦864年)という紀年銘があったそうですが、現在は摩滅してしまっていて、その文字を読むことはできません。昭和四十六年(西暦1971年)に山梨県指定文化財に認定されています。

貞観六年」という紀年銘は江戸時代に追刻されたものらしいので、建立された正確な年代は不明ですが、平安時代にまで遡る、建立年代のきわめて古い鳥居だというのは確かなようです。