「五大記」第二十九話を公開しました

五大記」の第二十九話を公開しました。タイトルは「再定義」です。

新約聖書の四つの福音書は、「イエス」と呼ばれる人物の言行を記述しています。それらの書物によると、イエスという人物は様々な奇跡を人々に見せたそうです。また彼は、奇跡を起こす権威を彼の弟子たちにも与えています。「マタイによる福音書」は、イエスは弟子たちに、「病人をいやし、死者を生き返らせ、重い皮膚病を患っている人を清くし、悪霊を追い払いなさい」と命じたと伝えています。

しかし、奇跡を起こす権威は、弟子から孫弟子へは与えられなかったようです。これは実にもったいないことです。もしもイエスが与えた権威が代々の弟子に伝えられていたならば、人類は彼らからどれほどの恩恵をこうむっていたか知れません。

「五大記」第二十九話に登場する預言者も、イエスのように人々の前で奇跡を起こします。彼に奇跡を起こすことができたのは、彼がそのための権威を持っていたからではなく、そのための技法を知っていたからでした。彼はその技法の覚書を残して死んだのですが、その文書の存在は歴史の闇の中に埋没してしまいます。二千数百年後、その文書を発見した人類は……おっと、この続きは、ぜひ本文でお楽しみくださいませ(^^)。